最悪な初恋



『その時言われたの“鏡見て見ろ”って。

彼の行動は全て賭けの為だった。

私はその後高校を中退した。

ダイエット、勉強、バイトに励んだ。

辛かったけど絶対キレイになって、彼に復讐してやる。

そう思って頑張った。

恋愛もせずに。




優衣、私…実は、整形してるの。』



言ってしまった。

優衣は俯いているから表情はわからない。

不安だ。

沈黙が怖い。



「辛かったね。よく頑張った!」

優衣が顔を上げた。
泣いている。
今まで、ある意味嘘をついていた私の為に。


『整形してる事、軽蔑しないの?』

「軽蔑なんてしない!軽蔑するとしたら、そのクラスメートだよ!」

『でも騙してたんだよ?怒らないの?』

「関係ない!麻衣子は、優しくて料理上手な私の親友なの!」

『…ありがとう!』

二人して泣きながら抱き合った。


「もう遅いから寝ようか?」

『うん。』

「これで本当の親友だね♪」

『だね!』


電気を消して布団に入った。
優衣と本当の親友になれて嬉しかった。



私は知らなかった。
優衣が“彼”を気付いてるなんて。




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