恋砂糖を一粒召し上がれ
恋砂糖を一粒召し上がれ



『花菜先輩』



き、きた…!!!

この甘くて低めの声…



声の持ち主が誰だか分かり、振り向けずにいる私-…





『先輩、無視はダメですよ』



そう言い終わると同時に何者かの温もりを背後に感じた。



…抱きしめられてる…?



突然の抱きつき行為。

でも声の持ち主と出会った日から毎日されている行為でもある。



『あ……あの……』

『花菜先輩、今日もいい匂い。
 この甘い匂い、シャンプー?
 それとも柔軟剤?

 どっちにしてもすっげー安心する』



昨日も一昨日も言われた台詞。


この行為が、この言葉に、私がどれだけ彼にドキドキさせられてるか、彼はきっと知らないだろう。



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