鈴結の扇
第一章
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ」
閉じられた世界に悲鳴が響く。
御霊の初めてなナギは震えていた。どうして僕はここにいるのだろうか。
「おい!大丈夫か?!」
出発する前に少し話したリーダーの声がする。でもダメだ。そこには擬態している御霊がいる。怖くて声が出ない。今、人が死のうとしているのに。僕を助けに来てくれたのに。
僕は何もできないのかな…