ただ君だけを。
私は、雨の中に足を踏み入れる。

「…冷たい。」

まだ、5月なだけあって

少しでも、水に晒すと

ひんやりと体を冷やしていく。

傘、もってこればよかったなぁ。

と、今更、少しだけ後悔する。





――――あれ、雨止んだ…??

突然、ピタリ。と私の上に落ちてくる

雨粒は無くなった。


「何やってんだよお前。」


聞き慣れた声。

誰だろう。と確認しなくても

直ぐに、誰なのかわかる。





「――――ゆ、う…。」

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