ただ君だけを。
「っ、…ひくっ…。」
「なぁ、おーい。」
「ご、…ごめ…っ。」
しゃっくり混じりで
声が、かすれて
ほんと、何やってんだろ…。
「ご、ごめんね…。続き、しよっか。」
机に置いてあった
教科書に気づき、本来の目的を
思い出す。
「何があったんだよ。」
「…別に、放っておいてって。」
「あのなぁ、目の前で泣かれて
放っておけるかっての。」
――――止めてよ、
お願いだから、
それ以上優しくしないで。
きっと、
「好きになっちゃうから。」