HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~



先生には忘れてられないヒトがいること


そのヒトは亡くなっていること

先生が抱きしめながら,お説教してくれたこと


『忘れろ』って言われたこと


熱でうなされて彼女さんの名前を呼んで泣いていたこと








あたしはポツリ,ポツリと言葉を絞りだした。
純ちゃんは少し涙目になりながら,うんうんと頷き聞いている



『あたしね…正直少し期待してたのかもしれない…。名前で呼んでくれるし…飴玉だって……あれ?』




あたしは,ポケットの中にあるはずのモノがなくなっている事に気付いた





『ない…先生に貰った飴玉が…どうして…?!』


『紗雪!落ち着いて!落としたのかもよ?』




落とした…?




あたしの頭の中にさっきのぶつかった映像がフラッシュバックした




あの時…!



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