HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~

先生の過去



授業が終わると,あたしは渡り廊下へ走った



先生からの手紙を手に…




あの木の下で会える気がした






『はぁはぁ…先生!』


『倉田…』




やっぱりいた…最初に話した場所。





『これ…』


『ごめんな。混乱しただろ?』



先生は力なく笑った



『ダメだな俺…教師失格だ』


『そんなことない!!先生はイイ先生だよ!』



先生があまりにも自分を責めるような顔をしていたから,ついムキになってしまった




『ありがとな。紗雪…』





ドクン




先生に名前を呼ばれただけで弾む鼓動


やっと…話せたね




『座れよ。今から話すから…』


ちょこんと先生の隣に腰掛けた





放課後の渡り廊下は静かな風が通り抜けていた


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