不良の俺とクールな後輩
私達のこと、お話しますから

<麻耶said>

先輩が帰っちゃって、家には誰もいない。



ピピピピッて音が鳴って引っ張り出すと、体温計は38.5なわけで




「あー、やっぱり。」




そう言うのが精一杯




「ケホッ、ケホッ」




最近咳出ると思ったら、桃花に言われた通り風邪をひいちゃった




ついこの前両親が雇ってたお手伝いさんが辞めちゃって大輝ももう一度出かけたみたいだから今家には私1人



私は何とか起き上がるとスマホに手を伸ばした




『お仕事中にごめんなさい。熱があったので、早退してきました。』




両親にはそれだけ連絡して、私はため息をつく。



頭痛い



内は両親と大輝と私の4人暮らし



広い家だから、たまに両親の知り合いとかが居候したりするけどそれも出入りが激しい。



両親もほとんど帰ってこないし、大輝もたまに帰ってくる程度



風邪をひいても誰も看病したりなんかしない



でも愛してもらってないわけじゃない。



五十嵐家の中で1人だけ西村の私に、家族はみんな良くしてくれる



ちょっと複雑な家族だけど、仲は良い方だと思う。



急にスマホが光って反射的に覗き込むと、桃花だった。




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