不良の俺とクールな後輩

俺は別に


******


麻耶の家の門がゆっくりと音を立てて開いた。




「どうぞ。」




麻耶の声に引っ張られるように俺は一歩踏み出した。



門から玄関まで歩いている途中、突然扉が開いて明るい金髪が目に入った。




「……おかえり。」




「ただいま、お兄ちゃん。」




大輝は俺を見て少し強く息をついただけで何も言わなかった。



きっと学校から帰るまでの間に麻耶が連絡したんだろう。




「……話しちまうのか。」




「うん。いいでしょ。」




「麻耶がいいんだったらいいんじゃねぇか。」




大輝は睨むように俺を見た。




「だけど、全部は話すな。」




「うん。」




麻耶は靴を脱ぎながら頷いた。




「支障のないことだけだ。俺達だけの問題じゃねぇからな。
それと、親父とお袋が帰ってくるまでにだ。」




「今日帰ってくるの!?」




俺は靴を脱ごうとしたところで驚いて顔をあげた。





麻耶の顔が輝いている気がした。





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