EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

もと人間の少女。

小鳥は驚いて興味深げにまじまじと月那を見つめた。

「氷河さまは人間を憎んでいるから、私に人間でいてほしくなかったみたい」

「氷河さんは、なんであんなに人間嫌いなの?」

「人間にご両親を殺されたの。それまでは人間の私達にもとっても優しかったんだけど…。あの日から、氷河さまは変わっちゃったんだ…」

過去を思い返してから、月那は小鳥の前で急に土下座をした。


「小鳥ちゃん、小鳥ちゃんにヒドイこと言った氷河さまを許してあげて下さい!お願い…!!」

泣きそうな声を出す月那に小鳥は慌てた。

手を取って立ち上がらせてから、月那の涙目を見つめて苦笑する。

「確かに怖かったけど、月那ちゃんが土下座することないよ」

「許して…くれるの…?」

小首を傾げる月那に笑顔を向け、小鳥は頷いた。

月那の顔がパッと輝く。

「ありがとう…!」

癒し効果のある可愛い笑顔に思わずニッコリしてしまった小鳥だが、ハッと気がついた。

「あの…月那ちゃん。お願いがあるんだけど…」

「なに?」

「私をルカくん達の家に帰してほしいの。無理、かな…?」

「ああ~……私一人じゃ無理だけど、千夜さま達に相談すれば…」

とその時。


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