EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「ひっ!!?い、いたのかよ!!」

ビビるルカの隣でカロンが拳を鳴らす。

「よーし。そろったから全員で軍学校に殴り込みといきますか」

張り切っていたその時、カロンのケータイが震えた。

どうやら着信のようだ。

「んあ?誰だよ。このクソ忙しい時に」

画面を見れば「蜜莉」の文字。


「げ……忘れてた」


三時からのライブ。

戻らなければ蜜莉に怒られる。


「カロン、ミッつんからだろ?出ろよ!」

ルカに肘で小突かれ、カロンは冷や汗をかきながら通話ボタンを押した。

「あー……蜜莉?ごめん。かくかくしかじかで行けなくなったわ」

「そんな説明でわかるかよ!!」

聞いていたルカが隣でツッコミを入れるも、なんと電話ごしの蜜莉には通じたようだ。

「ああー……あ?アルト?なんでアルトなわけ?は?アルトってもと軍学校の生徒なの?初耳なんだけど。あー……わかった。ならそういうことで。蜜莉様ダイスキあいしてる」

そしてカロンは通話を切った。

「なんかさ、アルト連れてけって」

「は?」

ルカを始め、他の兄弟が目を見開く。

「今から来るから」

「てかライブはどうすんだよ!カロンもアルトも抜けたらミッつん一人じゃん!」

「一人でどうにかしとくから早くミッションコンプリートして戻れって言われた。蜜莉様マジ天使」


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