EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

ハッキリしてきた頭で昨日のことを振り返る。


(ルカくんに好きだって言われて、私も好きって伝えて…)


両想いになって浮かれていたら白魔が来た。


(白魔さんに赤薔薇を無理矢理嗅がされて……)


この部屋を訪れた。


「っ――いやぁあ!!」


正気に戻った小鳥は身体を震わせて椅子から立ち上がった。

一歩ずつ後退し、部屋の主から距離を取る。

「わ…私っ……白魔さんと…!」

あの後、白魔と同じ柩で眠った。

彼に抱きしめられ、服を脱がされるのを喜んだ記憶が蘇る。


「あれ?もう正気に戻ったの?案外早かったね」

ゆっくりと近づいてくる白魔に恐怖を覚え、小鳥は部屋の出入口へと駆けた。

が――。


「逃がさない」


背中からギュッと抱きしめられる。

白魔の上品な甘い香りが小鳥に纏わり付いた。

「は、離して、下さいっ」

「フフッ、そんなに怯えないでよ。もしかして怒ってる?それとも恥ずかしいのかな。ルカを裏切って僕と戯れたんだもんね」

小鳥の目が大きく見開く。

白魔は強調するように彼女の耳元で囁いた。

「昨日は楽しかったよ。小鳥」

「っ…!!」

「と言っても、君の純潔を散らすような野暮はしてないから、安心して」

喉で笑うと、彼は小鳥の身体を抱き上げた。

「僕におねだりするプリマドンナも可愛かったけど、正気じゃない君を貪っても意味がない。その代わり焦らしに焦らして意地悪しちゃったけど……牙を埋めることもしなかった僕を褒めてよ」


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