精一杯の背伸びを
「大丈夫?今の騒ぎが聞こえてないって」
朔ちゃんが眉を寄せた。
「何か悩みごと?」
小夜ちゃんが私の顔を覗き込んだ。
広君が腕を広げ、悲嘆な表情を浮かべ駆け寄ってくる。
広君が口を開くのを制し、朔ちゃんが言う。
「一体何考えてたのよ?」
私は、真剣な眼差しをみんなに送る。
朔ちゃんたちだけでなく、周囲も私に視線を注いでいる。
榊田君だけ、のり弁に夢中だ。
「実は……」
みんなが息を呑む。
榊田君はお茶を飲む。
「実はね。ごみは、捨てるからごみなのか、ごみだから捨てるのか考えてたの。ね?どう思う?」
その途端、ため息が支配した。
そして各自、昼ご飯を食べたり、授業の準備を再開させた。