イケメン弁護士の求愛宣言!
来島先生はそう言った後、コホンとひとつ咳払いをして襟を正した。

「今夜は、ちょっと落ち着きたいから、このまま帰らせてもらっていいか? ごめんな、誘っておいて……」

「いえ……。それは構いませんけど……」

大丈夫かな?

さすがに心配になるくらいに、来島先生の目は泳いでいる。

「じゃあ、由依子ちゃんまた明日」

フラフラとした足取りで駐車場へ向かう来島先生を不安げに見送ると、私も自宅へ向かう。

先生の『奪うから』の言葉が気にかかりつつ、真斗さんへどんな言い訳をしようか考えながら、バスへ乗り込みアパートへ帰ると……。

「由依子。おかえり」

玄関の前で真斗さんが立っていて、思わず声をあげていた。

「ま、真斗さん⁉︎ なんで、こんなところに⁉︎」

今日は会えないだろうと覚悟をしていただけに、嬉しさも感じつつ、来島先生とのやり取りの直後だけに少し複雑だった。

「ごめん、いきなり。今日は全然会えなかったろ? 少しでも顔を見れたらなって思ったんだ」
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