恋が都合よく落ちてるわけない
「結局、好きになったらしょうがない、
ですか?」

「あら?千鶴ちゃん、
ちゃんと認められたじゃないの」


「何を?ですか?」


「須田くんのことが好きだって」


「へっ?み、認めてなんか、いませんよ。そんな発言してませんよ。どうしてそうなるんですか」
私は、自分が言った内容を思い出していた。


「本当に?」陽子さんが詰め寄る。


「認めてません…」


「本当にもう、面倒くさいわね。さっさと認めれば、それで済むのに。
じゃあさ、確かめてみようか?」


「どうするんですか?」
陽子さんは、しばらく考えた。

「行くのよ!千鶴ちゃん、
そのイケメン君は車運転できる?」

「たぶん…」


「じゃあ、電話して」



「はああ?」


「何ぐずぐずしてるの?」

嫌だ。さっき、連絡したくない理由を散々話したのに。


「あの…陽子さん?正気ですか?」

「もちろん。気は確かよ」

「別にタクシーで行っても
いいじゃないですか?」

「いいの?払ってくれる?」

「どこですか?」

「軽井沢よ」
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