恋が都合よく落ちてるわけない
高原の休日
須田さんが連れてきたのは、駅から少し離れた高原のホテルだった。

「泊まるんですか?」

「他に予定ないだろ?」

私は、うなずいた。

案内されたのは、ログハウス風のコテージだった。
こういうところに連れて来てくれるなら、前もって教えてくれればいいのに。

でも、ああ、この様子じゃかんこうどころじゃないか。


「どうぞごゆっくりおくつろぎ下さい」
丁寧に挨拶され、鍵を受け取る。


「いつここを予約したの?」
今朝の須田さんの態度からすると、前もって予約しておく何て考えられない。


「予約したのは、陽子。君が出て行ってから、すごい剣幕で怒鳴られた」


「陽子さんが?」


「うん。ここを予約したから、千鶴を連れて行けって」


「どうして、素直に陽子さんの言うこと聞く気になったの?」


「従わなきゃ、奏に渡すって言ったから。それは駄目だから」


「そっか…」

今朝のことがあったから、すぐに駆け寄って抱きつきたい衝動を押さえた。
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