恋が都合よく落ちてるわけない


午後になって、
実加が冊子を持ってやって来た。


「千鶴!ちょっとこれ見て!」


実加が持ってきたのは、古い社員名簿
早速、実加が付箋を付けたところを開く。


あっ、あった。



須田仁志 経理部 経理課
ええっ!西川さんと同じ部署。

「8年前の新入社員」




「これ…調べたの?
どっから持ってきたのこれ…」


「ナイショ。名簿オタクから。ふふん」


「なんなのそれ、大丈夫なの?」


「だって、気になるじゃない」


嬉しそうな実加。



「本当だ。ありがとう」



「一応…住所は書いてあるね。
多分、引っ越してると思うけど」



「お礼は、経過報告でいいよ」



「実加、それ無理だよ。だって、
これだけしか分からないんだから」



「何言ってるの、
ナイトの方が黙ってるわけないじゃん」

ナイト?何、それ。


「ナイトって、須田さんの事?」
私は、大声で笑った。

合ってんのは、夜に現れたってだけだよ。



「全然違うって、
須田さんナイトなんかじゃないよ」

ナイトって、紳士的で下ネタ何か言わないだろう。

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