恋が都合よく落ちてるわけない

「何、集まって相談してるんだ?」
仁志さんがやってきた。


「やっぱり、まだだったね」


「物事には、順序がある」


「仁志さん、私、別の部屋を借りるから。
探すまでここにおいてもらえれば」


「いつまでいるかなんて気にするな」


「それに、会社の仮眠室もあるし」


「絶対駄目だ。
鍵もろくにかからんだろう」


「どうかしたのか?」
心配そうに見る須田父。


「千鶴のアパートに誰かが浸入した。まだ、調査中で詳しいことは、わからない」


「そんなところに、帰るのは良くない」
須田父が断言する。


あまり、アパートを空ける訳にはいかない。実家の父と母、それに兄たちが嗅ぎ付けたら大変だ。半年後には、式を挙げさせられる。


「千鶴さん、私の部屋に来ない?」
薫子さんがそう言い出した。


有無を言わさない。
一番若いのに、影響力がある。
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