歪な愛のカタチ

逃げる

「服一旦着替えてから行こう」

僕がそういうとしわくちゃの制服を見て由佳は笑った。

「化粧もしなくちゃ」


「そのままでいいよ 」

僕がそういうと由佳はまた笑った。


「僕、着替えたら由佳の家に迎えに行くよ」

「隆ちゃん、王子様みたい」

「僕より昨日の由佳の方が男らしくて王子様みたいだったよ」

そう言うと唇を尖らせた。


そして僕らは駅で別れた。

家に着いて鍵を取り出して開ける。

この時間は誰もいない。

制服を脱ぎ私服に着替える。

鞄に大事な物を詰め、家を出た。
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