wolfeye

「小春俺は、やくざの息子になった。それにもう会えることはないかもしれない

でも、俺たちが大人になって出会えた時この耳につけてある印を見ればわかるだろ？」

俺たちはつながってる

だからそんな悲しい顔をしないでと小春の目から流れる涙を手でふき取り

彼女のポチャッとした少し赤みのある唇に俺の唇を重ねる

とてもあったかい気持ちが流れ込み俺は小春と別れたくない気持ちがこみ上げてきた。

唇を離し、「元気でな」というと片瀬さんの元へ戻った

片瀬さんは園長先生と話してたようで、園長先生にももう一度「お世話になりました」と頭を下げる。

園長先生は「蓮、がんばるのよ」と抱きしめてくれた。

「はい」と返事をして「小春の事頼みます」と頭を下げると笑顔でうなずく園長先生

俺は後ろを振り向かず片瀬さんの開けてくれた車に乗り込み前を向く

片瀬さんも乗り込むと車は発進した。

後ろからは「蓮」と泣き叫ぶ声が聞こえ戻ってあいつを抱きしめてやりたかったがそれはできなかった。

俺はまだ子供だ、力も知識も権力も金もない

早く大きくなって小春を俺のそばに置きたい

その希望をかなえたくて俺は我慢をした。