恋のデザインは色鮮やかに。
飲み会があった日、私はレイさんの元担当として、ナルさんに色々と話を聞かれていた。


「あんな人、他にいないですよね?

イラストレーターって皆あんなかんじなんですか?
樋口さんとか、もっと自分で動いてくれそうですよね」


これは愚痴だろうか?
ナルさんはどれだけコキ使われているのだろう…。


「そうですね…。

レイさんは少し変わってるみたいです。

でも、書籍の表紙をレイさんに描いてもらえたんですよね?
新人なのにそんなことさせられるってすごいことですよ。

…私は、担当としてレイさんをコントロールできなかったから」


何を言っても何をやっても、レイさんは全く動いてくれなかった。


私がやってほしい仕事は別にあるのに、勝手に違うことを始めてしまうこともあった。


「どうやってるんですか?」


私がアドバイスしなきゃならない立場なのに情けないが、素直な疑問だった。
もう私がレイさんの担当につくことはないだろうけど、聞いておきたかったのだ。


あの時私はどうするべきだったのか。
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