恋のデザインは色鮮やかに。
最後の勝負。
青山さんの元で働くようになって1週間。


私は毎日青山さんの行くところに付いて回って、多忙さを身をもって体感していた。


スケジュールは分刻みで、どこの政治家だよ!と言いたくなるほど詰まっていたけど、それを難なくこなすのはさすがとしか言いようがない。


今日は午後から雑誌の取材のために、喫茶店に来ていた。


青山さんが話しているこの会話が雑誌に載るんだからすごいよなー…。


取材が終わって、車まで歩くほんの数分の間で青山さんに気付いて声をかけてくる人もいる。


イラストレーターがこんな風に黄色い声援を受けることがあるんだ、と驚いてしまう。


青山さんはこういうことにも慣れているらしくて、スマートに対応して駐車場まで移動した。
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