恋のデザインは色鮮やかに。
「そ、そうね。
レイがあんなイラスト描くほどだもんね。
さぞ辛かったでしょうね、就活。」


ん?
どういうことだろう?


「それ、さっきも思ったんですけど…。

レイさんが描いたイラストに私が何か関係してるんですか?」


レイさんは自分の話題になったからか、社長のもとへと離れた。


「そうそう。

大会に出すイラストをイメージが湧かないとか言って、締切前日になっても全然描こうとしなかったんだけど…

ナルちゃんと神社で会ってから、一気に描き上げたの。

なんていうか…。
ナルちゃんの報われない努力とか、でもその先にある光を目指してもがく感じが出てたイラストだったわ」


報われない努力…。


でもその先にある光…。


「私との会話でそんなイメージを…。」


なんだろう…恥ずかしいような、ちょっぴり嬉しいようなこの感じ。


レイさんがどんなイラストを描くのか見てみたくなってきた。


私はレイさんの担当として全力で関わっていこう。


なにせレイさん相手だから不安もあるけれど、なんだか働くのが楽しみになってきた。

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