俺たちの妹・2
「夏休み、少しだけでもお友達と楽しんでみたいから頑張る」

みぃの欲のない小さな願望を叶えてあげたいと思った。

「じゃぁ、俺入院に必要な荷物取ってきます」

「あ、私も一緒に行くよ。みぃ?いつものところにあるよね?」

「うん。葵と桜にお願いしていいの?」

「「もちろん」」

「その方がまた来る口実もできるしね」

イタズラに笑った桜は俺を見ながら言葉を紡いだ。

何もなければ来る事のない病院だからな……

「ありがと」

みぃの言葉を聞いて、葵と桜は診察室を出た。

「じゃぁ、病室移動しようか」

そう言って、車椅子にみぃを座らせた。


「つーくん、どれくらい入院するの?」

「とりあえず3日様子見ようかな。それで目眩がなくなれば、退院していいよ」

「ほんと?」

「もちろん。最初から目眩がなくなれば退院の予定だしね」

「良かった……長くなるかなと思ったんだけど頑張るね」

「俺も早く退院出来るように頑張るよ」


病室へ着き、みぃをベッドに寝かせる。

みぃはまだ少し怠そうにしていた。

「目眩まだある?」

「家にいる時よりはマシなんだけどね…」

苦笑するみぃ。

「まだ目眩は残ってるんだね」

「……………うん」

「彼方か日向に連絡するね」

「………はぁい」

みぃは返事をしながらゆっくり目を閉じた。
< 296 / 612 >

この作品をシェア

pagetop