俺たちの妹・2
点滴を終えて、家に連れて帰る。


病院から家に着くまで一度も起きなかった桜を寝室のベットに寝かせた。


しっかり眠れれば、回復も早いから、頑張れ……


俺はそっと寝室を出た。



何か食べれそうな物を作っておこうかな……


やっぱり風邪の時はたまご粥だよな。








作り始めて少し経った頃、



カタン





寝室から音がした気がした。


「桜?」

不思議に思い寝室を覗いてみると、床に座り込んでいる桜がいた。


「桜っっ‼︎どうした?」

思わず駆け寄って事情を聞く。


「おトイレに行きたいんだけど、力が入らなくて……」

「そっか。じゃぁまず行こうか」


俺はそっと抱き上げてトイレに向かった。


いつもなら抵抗する桜も立ち上がれなかった事もあり、大人しく抱かれていた。



「司、ごめんね」

トイレを済まして出てきた桜は申し訳なさそうだった。


「何言ってるの。そんなの気にしないよ。俺だってもしかしたら同じ事になるかも知れないし、お互い様」

もちろんならない様に気をつけるけど………



そっと桜を抱き上げて寝室へ向かう。





「その時は私、頑張るから……」

そう言って俺の胸に顔を埋めた桜。

こんな姿はレアだったりする。


ふふ、可愛い………


不謹慎だけど、思わず思ってしまった。

< 384 / 612 >

この作品をシェア

pagetop