俺たちの妹・2
再び意識が浮上してくると、身体が少し重たく感じる……

これがいつもの私だ……

夢を見ている時は噓みたいに身体が軽い。

だから、すぐに夢ってわかるんだけどね……


あまり上手く頭が回らなくて、暫くぼぅっとしていると……

「美晴ちゃん目が覚めた?」

梓さんが声をかけてくれた。

「あず、さ、さん……」

「今、小林先生呼んでくるね」


周りを見渡すと、色々な患者さんが目に入ってきた。

頭を怪我している人、管を入れられている人、足を怪我している人………

様々だったけど、どの人も意識がなくて、重症なのが分かった。

私もこの中の一員だったんだ……

私は発作が頻繁に起こったりすると、よくお世話になる場所だけど、少しでも元気になったら、出たくなる場所だったりする。


いっくんが様子を見に来てくれた。

いっくんに早く出たいと交渉する。

つーくん次第か……

それもそうだよね。


いっくんはすぐにつーくんに確認してくれて、すんなり移動する事になった。

ほんと良かった……


いっくんには『ありがとう』を言っても言い足りないくらいお世話になっているし、これからもきっとなるだろう……

感謝やよろしくの意味を込めてのありがとう。

いっくんには伝わるかな……?

にっこり笑ってくれたから、気持ちは伝わったんだと思う……
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