俺たちの妹・2
つーくんが出て行った扉をぼーっと見つめる。

「美晴、美晴は一人じゃないんだからな。俺や葵、兄貴や彩さん、桜も、新しくできた友達だっている。
大学では会えなくなるけど、ずっと会えない訳じゃないからな」

ひな兄は私の手を握って話してくれた。

「…………うん」

しばらく一緒に居てくれたひな兄も呼び出しがあって、出て行った。





私、学生終わっちゃうんだ……

みんなまだ学生なのに……

寂しいな………


「みぃ……」

面会時間ギリギリに葵が来てくれた。

忙しいのに、時間を割いて来てくれた。

「あ、おい……」

また目に涙が浮かぶ。

「どうした?」

「……大学、もうダメだって……」

葵は私の言葉を聞いて 一瞬目を見開いたけど、すぐににっこり笑っていた。

「大学には一緒に通えなくなるけどさ、一緒にいれる時間増えるよ?」

「…………?どうして?」

「俺、みぃの家に一緒に住む事にしたから」

「…………へ?」

葵の言葉に耳を疑った。

「みぃがもし大学が通えなくなったら、みぃには一人の時間を作って欲しくなくてさ……かな兄とひな兄にお願いしてたんだ。
ほんとは、2人だけで暮らしたいけど、それは、みぃには負担だろうし、俺が居候させてもらう事にした」

「…………」

葵の言葉が上手く頭に入って来なくて、呆然としていた。

「みぃ?お〜い」

葵が私の目の前で手を振る。

「…………あ、うん」

「勝手な事してごめん」

「ビックリしちゃった……」

ほんとビックリして涙も止まっちゃった。
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