俺たちの妹・2
「まぁ、今は目の前にあるテスト乗り越えようぜ」

「そうだな」

俺は留年なんてしてられないんだ。

楓にも負けてられないしな。



午前中の講義を終えて昼休み……

俺は中庭でみぃのお弁当を広げていた。

みぃが通ってた時は待ち合わせのカフェまで急いでいたけど、必要がなくなった……

やっぱり寂しいな……

でも、みぃの体調が何より最優先だし、あの時はあの判断で良かったんだ。




だって大学を退学すると決まって、退院祝いを終えてから……


みぃはホッとしたのか、暫くベッドから起き上がる事が難しいくらい体調を崩した。

体は限界まで来てたんだ……

今まで入院してる時や、寝込んでる時にお見舞いに行くことはあっても、体調の悪いみぃの側に四六時中ずっといる事は殆どなかったから、知らなかったんだ……

みぃが一人で耐えている事も。

みぃが情緒不安定になる事も。

みぃが無理して笑う事も。

みぃが無理をする事も。

俺は知らなかった。

ひな兄に相談したら…

「俺たち家族の前でも同じだよ。美晴は一人で耐えて、無理をするんだ。でも、葵と付き合う様になってから、だいぶ甘えてくれる様にはなったんだよ。だから、俺ら家族は葵に感謝してる。美晴の側に居てくれてありがとな」


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