俺たちの妹・2
 
「みぃっっ!!」

葵が私を見つけて声をかけてくれた。

「葵。お疲れ様」

葵を視界に入れると、周りには友達らしき人が数人……

その中には女の子もいて……

女の子の目には葵しか映っていないのが一目でわかった。


あぁ、葵の事が好きなんだろうな


そう思わずにはいられない雰囲気だった。


「ごめん、なんかみんな付いて来ちゃって」

葵は困り顔で謝った。


「ううん、気にしないで。葵もお友達と過ごしたいだろうし、私は今日は帰るよ。もう講義も終わりだし」

そう言って、立ち上がる。

「………みぃ?」

きっと葵には分からない気持ちだろうな……


「なぁに?」

「どうして帰るの?」

「私が居ない方がお友達と楽しめるでしょう?」

笑って答えると葵は怖い顔をした。

「俺はみぃと過ごすためにここへ来たの。友達は今は関係ないよ」
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