俺様社長の飼い猫
《スズside》

…想いが通じ合ったあの晩、紫音は私を抱いた。

抱かれる度に、紫音に愛されてると確信出来て、幸せだった。

柏木部長も、私に完全に近寄らなくなった。

…何もかも、紫音のおかげだった。

こんなに幸せでいいんだろうか…幸せ過ぎて怖いくらいだ。

…そう思っていた矢先、私は、天国から、地獄へ突き落とされた。

…ある日の仕事終わり、私は一人、残業の為、オフィスでパソコン操作をしていた。

カタ…。

そこへ、誰かがやってきた。もちろん、同じ部署の人が入って来たものだと思った。

「お疲れ様で…」

言いかけて、言葉を失った。

「お疲れ様…ちょっといいか?」

…そう言って、微笑んだのは、離れた筈の、柏木部長だった。
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