午前0時の恋人契約



窓の外には太陽が輝く、朝。

私は自宅の洗面所で、じっと鏡と向かい合っていた。



今日も真ん中で分けた黒い髪、毛先はいつもより少しだけ強めに巻いてみた。

青いトップスに合わせた白いスカートは、いつもより気持ち短めの丈で、目元に残る昨夜の泣き腫らした痕は、メイクで丁寧に隠した。



「……よし、」



ぐっと気合いを入れるように、気合いを込めて深呼吸をひとつすると、鏡に笑顔を映す。



今日は、レンタル10日目の最終日。



今夜は仕事の後に19時に貴人さんと待ち合わせをして、その足で父との食事だ。

無事に終わるか、紹介したところで反対されて結局お見合いになるか……どうなるかなんて、分からない。



けど、今の自分に出来ることは、真っ直ぐに向き合うこと。それは、貴人さんがくれた勇気とともに。

緊張する、こわい。だけど、今日は今日しかないから、後悔をしないように。

つよく、なるんだ。



「って、あっ!時間!」



気合いを入れることに熱中し、つい遅刻しそうになりながら慌てて家を出た。




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