君と恋した記憶~どんなに遠くても、君が好きだ~
「・・・・・・え。」


一之瀬綾羽。

その名前を聞いたとき、息が止まりそうになった。


「俺が探している子、その子です!俺も一緒に探させてください!」

「え?!」

「お願いします、お願いします!」


警官に頭を下げてお願いすると、警官があきれたようにこう言った。


「・・・・・・仕方ないなぁ。早く車に乗りなさい!風邪をひいてしまう!」

「・・・・・・!ありがとうございます!」


俺は急いでパトカーに乗った。

婦人警官さんから毛布を貸してもらって、俺は毛布にくるまって体を温めた。


・・・・・・頼む、綾羽。無事でいてくれ。

俺はただ、心の中で祈ることしかできなかった。
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