キミノカケラ〜群青色の空と君と〜


連れて行かれたのは、シュウとは別々の部屋だった。



「親御さんの連絡先を教えてくれる?」



氏名、年齢などを聞かれた後、女性警察官は当たり前のように聞いてくる。


どうやらこの人は知らないみたいだ。
私がこの辺では、家出の常習犯だの嘘つきだのと呼ばれてることを。



「親に連絡しても無駄ですよ」


「どうして?」


「……あの人が迎えに来るわけがない」



前は世間体とか気にしていたのか、すぐに迎えに来たけど、今は流石に来ないだろう。

というか、来ないでほしいというのが本音だ。



「とにかく連絡先を教えて」



いくら拒否してもしつこく聞いてくる女性警察官に、最後は渋々母親の連絡先を教えた。



数分後、女性警察官からの質問攻めが終わった。親が迎えに来るまでこの部屋に待機らしいけど、他の人はどうなったのか気になる。
シュウは大丈夫だろうか?


少しでもシュウの顔が見れないかと思ってトイレに行きたいと言うと、女性警察官と一緒にトイレに向かった。



「本当にご迷惑をお掛け致しました」



トイレから出ると、そんな声が聞こえて目をやった。

警察官に深々と頭を下げる男性と女性。
その真ん中には、男性が強引に頭を下げさせてる金髪ーー、シュウがいた。



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