キミの声



キミからの呼び出しは

初めてじゃない…





スクランブル交差点が上から見渡せるカフェで

2人…隣同士に並んで

行き交う人を…ただ…眺めていた




ポツリポツリと降り出した雨に倣うように

キミもポツリポツリと言葉を零していく



傘の花が開いていく風景を見ながら

キミの口から聞かされるのは

いつもと同じ



【すれ違ってる彼】



のこと




キミがこうして俺に電話してくる理由なんて

初めから分かってた





もう…そんな奴…やめとけよ…


もっと他に良い奴が居るから…


俺だったらキミにそんな悲しい顔…させない…


俺を好きになれ…






言いかけた言葉をグッと飲み込み…

キミを慰める





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