千代紙の小鳥
小さい頃から虚弱体質で、スポーツや遠出は儘ならず。

ここ数月は週に何度も熱を出して学校へ通う事すら難しくなってしまった。

(コースターでも作ろうかな)

日によってはベッドから出ることも出来なくなる程なので、趣味は読書や編み物等女の子らしいものばかり。

けれどそんな身体よりもはやく、転がり落ちるように弱っていくものがある。


”会話”だ。

友達と遊ぶことも出来なくて、それどころかまともに学校に通えない。

リビングへ続くたった十数段の階段すら下りることができないので、家族と顔を合わせる事すら減るわけで。

そうすると、必然的に”会話”もない。

先程交わした母との会話が今日の最初で最後のものになる可能性は低くない。
< 3 / 103 >

この作品をシェア

pagetop