雨、冷たくて
「“鮮やかなキス"でしたっけ?」


そう首を傾げて聞いてきた彼は、

あたしの買ったグロスをよく知っていた。



“鮮やかなキス"はキャッチコピーみたいなもの。


「へぇ~よく知ってるね♪」



こんなに詳しく知っているとは感心した。


「お姉ちゃんいますから」



一瞬見せた男らしい爽やかな笑顔に、


ドキッとしてしまった。






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