あかねいろ Thousand Leaves! 完全版
そっと息をもらした。


「こういう誕生日、憧れてた。感激…」

「誕生日なの?」

「はい」

「なんか大人っぽくなったと思った」


私は首を振った。

「制服マジックですよ」

「そんなことないよ」


華奢なメニュー表を手渡された。


うっ!

一杯で時給以上!



「お兄ちゃん、まだ学生なのに…大丈夫?」


お兄ちゃんが吹き出した。

「大丈夫、大丈夫」

「いつもこういう所に来てるの?」

「まさか。普段は焼酎専門」

「高級な所でもノンアルのカクテルってあるんだ」

「まだ未成年か…」

「それに自転車なんで」
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