強引な彼との社内恋愛事情



だけど、別に行きたいなんて思うわけもなく。


「そっか。広重、楽しんでおいで」


ズズズと緑茶をすすった。


「千花さん、来ないんですか?」


「だって、誘われてないもの」


「行っちゃえばこっちのものですよ」


「いや行きたくないけど」


「千花さんが来なきゃ花見が始まらないです」


「……広重、うざい」


と言うと、心底哀しそうな顔をするから、意外に面白い奴かと思った。
そういえば、広重と二人きりでランチに来たことなんてなかったな。
< 8 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop