ラブレッスン
「うそ!?本当に同じ高校?」




テーブル挟んで向い合わせの結城歩に身を乗り出して尋ねた。





『俺の学年から共学になりましたから、間違いないと思いますよ。』




「あ、アルバム!!卒業アルバム見せてもらえないかしら!?」




何となく頭の中に残ってる女の子の顔。

写真を見ればはっきりと思い出せるかもしれない。





もし





もしアルバムに載っていれば、名前と後ろに載ってるその子の住所がわかる。





あの子が今もまだ私のあげたしおりを持っててくれたなら。





事情を説明して返してもらえるかもしれない。





そう思うと、いてもたってもいられない気持ちになった。






お願い。駄目なんて言わないで。





祈るような気持ちで結城歩をテーブルに身を乗り出した状態で見つめる。






『別に構いませんよ?

ちょっと大きくてかさばるけど、月曜日にでも会社に持ってきます。』





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