ラブレッスン
何か言いたそうな横山くんを置いてさっさとフロアを出る。






そして携帯を開くと結城歩から今日もメールが入っていた。






【本文】
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屋上に13時に向かいます。

今日は一緒に食べられそうですか?
       歩
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自分の気持ちに気付いてから、仕事が忙しくなったと言って、私は結城歩と距離を取り始めていた。





そうしないと、いつまで経っても諦められないと思ったから。






お弁当だけ渡して仕事に戻るだけ。




時間にして数十秒顔を合わせるだけの日々。






『忙しそうだし無理して俺に弁当作らなくていいですよ?』





昨日お昼に言われて少しだけ迷った。






このまま、会わずにいた方がいいんだって。








けれどその数十秒ですら会いたいと思う気持ちに抗えずにいた。








屋上までの階段に1歩足をかけて上を見上げると、結城歩の後ろ姿が目に入った。






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