世界で一番幸せな
第一章~企み
「……ここが、魔王の城か。」

酸性の雨に打たれながら勇者は言った。

「…俺は、も、う自由になれるんだ」

「そして、さあ、英雄に、はは...」

勇者は動かない筋肉を無理やり動かし

してやったりと笑った。

入ると、そこは複雑な迷路。

歩くたびに、折れた足が悲鳴をあげる。

けれど、勇者はそれでも進んだ。
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