※その恋、ワケありにつき。
第3章:お互いの気持ち
莉乃side:見たくなかった
【莉乃side】
「な、なんなんだよアイツ」
「潤……」
衝撃的瞬間を見た私達。
私はかすれた声を出すことしかできなかった。
潤とあの子のキス。
どうして、
なんで、キスなんてしたの?
あの子の手を引いて走って逃げていく潤を見て
私たちから逃げたいんだって事は分かった。
でも、それだけの理由でキスなんてするの?
「おい、莉乃おいかけるぞ!」
賢人の言葉に、はっと反応するけれど
私の体は動かない。
目の前で見た光景はショックすぎて
言葉も出ない。
「……おい、莉乃?」