純愛デビュー

存在




-優斗side-




「あっ優ちゃん」

「遅れてゴメン。これお詫び」


「わぁっイチゴ飴!ありがとう優ちゃん」





目の前で幼馴染の美紅が嬉しそうに笑って


腕を絡ませてきた。



俺と美紅は生まれたときから親が仲良くて


家も向かえでっていうよくある幼馴染の関係


学年的には美紅のほうが1つ上で


俺は地元の公立高校に通う2年、


美紅は少し離れた女子高に通う3年。




相変わらず嬉しそうにニコニコする


美紅から視線を外して周りを見渡すと


みんなチラチラと美紅を見ているのが分かった




昔からそうなんだ


容姿が整っているから


どこにいても一際目立ち、


こういう人ごみに来るとすごい視線を感じる



「そろそろ行こうか?」



もうすぐ始まる花火へと促し


歩き出そうとしたときだった


目の前をスッと通った黒い浴衣姿の人に


目が行った



彼女は下を見ていたけど


俺の横を過ぎたあたりで顔をあげて


隣を歩く男を笑顔で見上げる。



...その横顔に見覚えを感じた



あれ...白石カンナ...だよな




彼女は紛れもなく最近転校してきた


隣の席の女子だった



で...隣にいるのは、野球部のやつだよな



へぇ...2人は付き合ってるのか



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