くの一反省帖〜お殿様を守れ、オー!〜
「誰か共の者を付けまするか?」

ここから先の任務は敵に気取られず迅速に行わなければならない。ましてや失敗など許されない任務…十兵衛とて最早若くは無い。重種なりの心遣いだったが…

「いや、人が増えるとかえって目立つ…それがし1人で参ろう。何、犬鳴の里は、最早我が家も同然…では」

そう言って十兵衛は一心地付く間も無く馬を走らせた。
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