続・エレベーター
エレベーター

親友の家

次の日、わたしは学校へは行かずに美香の住んでいた団地に来ていた。


自殺の名所と噂のあるこの団地に来るのは初めてだった。


美香に「家においでよ」と誘われたこともある。


「なんか怖くて…。」と、そう言って断ったあの日のことを思い出す。


『美香、ごめんね…。』


いろんな感情が込み上げて来て、ただ謝罪の言葉を口にした。



赦して欲しい。


どんなことをしても…。


あの眼球に見られながら生きるのは、もう嫌だ…。


頭の中のコール音も、男の笑い声も、あの、低い声も…。


もう嫌だ…。


わたしはもう限界なんだ…。

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