ヒスイ巫女3

妊娠

「陸・・・」
緋音がもじもじと陸に話しかけた。陸は頭をかしげながら近づいて行く。
「どうした?緋音?」
「あのさぁ…」
緋音は下を向きながら不安そうに
でも嬉しそうに言った。
「私・・・」
「おう?」
「お母さんになる!」
「え?」
・・・・
あまりにも元気な声でそして衝撃的な事で陸は・・・・
「エーーーー!!」
叫んだ。
「嘘だろ!?まさか!」
「まさかの!」
「「赤ちゃん!?」」
2人でハイタッチをした。
でも陸はすぐに
「緋音、安静にしときな」
緋音を座らせた。
「大丈夫だよ。陸。」
緋音はニコッと笑った。
「今何ヶ月?」
「今、3ヶ月だよ。」
「予定日は?」
「2月13日。でも初めての子供だから遅くなるかもって」
「うん!でもいつでもいい。赤ちゃんが元気に生まれてくるなら」
もう陸はなんだかお父さんの顔になっていた。
緋音もお母さんの顔になっていた。
「でも・・・」
緋音はうつむいた。
「この子にもし巫女の力が宿っていたら巫女様にならなくちゃならないんだよね・・・」
陸もうつむいた。でも緋音の頭を撫でた。
「大丈夫だ。俺が巫女になれば俺の子を巫女にしなくてもいいルールを作れる。だから安心しろ。」
優しい笑顔だった。
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