アイザワさんとアイザワさん

③伝えます。


21時。
九嶋くんがちゃんとカードを渡してくれていたら、そろそろ相澤が現れてもいい時間だ。

……もちろん、来ないことだって考えられるけど、相澤ならきっと来てくれる。私はそう思っていた。


私は実家から少し離れたところにあるコンビニの中で相澤のことを待っていた。
ここから程近い所に、おばあちゃんとの思い出の場所がある。


外は雪がちらつきはじめていて、その雪は4年前のことを嫌でも思い出させた。
「ホワイトクリスマスだね。」なんてはしゃいでいたあの日のことを……。


それ以上外を見る気持ちにはなれず、雑誌を眺めながらぼんやりとしていると、横に人が立った気配がした。


「相沢。……カード見たよ。」
いつの間にか隣に立っていた相澤は、私にその一言だけを話した。


「お疲れさまです。……急に呼び出してすみません。」


……これから私は、少しだけ過去に触れる話をする。


私達には辛い時間になるかもしれないけど、どうしても伝えたい想いがあるから。私はそれに向き合う覚悟をした。


「お話があります。……一緒に来てもらえませんか?」

< 188 / 344 >

この作品をシェア

pagetop