アイザワさんとアイザワさん

2月。①あの女(ひと)もやって来ました。


2月の初め。
朝日勤を終えた私と茜さんは、ファミレスで待ち合わせをしていた。

「初花ちゃん、茜さん、お待たせ!」

窓際の席で待っていた私達の前に、大きめのダウンコートに身を包んだ鞠枝さんが現れた。
胸元には以前会った時よりも丸々とした玲くんが、抱っこ紐の中でなんだか窮屈そうに収まっていた。


「なんか……また玲くん大きくなりました?」


「……やっぱりそう見える?検診に行っても他の子より明らかに一回り大きいのよ。」


そのまま注文を終えたママさん達は、抱っこ紐何使ってるのー?とか、ミルクはどうしてるの?とか、しばし二人の話に突入した。


ママトークについて行けない私は、育児って大変なんだなぁ……とただただ感心していた。


「そうだ。初花ちゃんは予定ないの?」

ふいに鞠枝さんが聞いてくる。
……何の予定?とポカンとする私に、


「出産とか。」
と、さらっと理解不能な一言を口にした。
思わず口にしたばかりのハンバーグをそのまま落としそうになって、慌てて飲み込んだ。


「しゅ……出産って……結婚もまだですし……私、去年の末から付き合い始めたばっかりですよ?みんな先走っていろいろと考え過ぎですよ……」

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