アイザワさんとアイザワさん

樹さんの頬が少しだけ赤くなった。
…ビンゴだ。


「あの時からなんですよ。シクシクと胃が痛むようになったのは。樹さん、私が妊娠してるかもしれないって…思いながら…昨日まで、何回も…『して』ますよね?…」


樹さんはうつ向きながら、こう言った。

「いや、『確信』があった訳じゃなかったから…初花だってすぐに治ったって言ってただろ?二人っきりでここにいると…初花けっこう甘えてくるし、柔らかい身体とか、髪の毛から甘い匂いとかすると…ちょっと…いろいろと押さえられなくなるんだよ。」


自分で言いながらもかなり恥ずかしかったらしい。
10代か、俺は…なんて力なく呟いている。


ちょっと言い過ぎちゃったかな。そう思ったけど、これがもやもやしたいちばんの原因かもしれなかったのだから、仕方ない。


「私のことを大事だと思ってくれていないのかな?ってふと思ってしまったから、気になっちゃったんです。…ごめんなさい。」


私のとどめのような言葉を聞いて「しばらく…話しかけないでくれ…」と言って樹さんはベッドに顔を伏せてしまった。


茜さん…『ちゃんと』話し合ったら、樹さんが傷ついちゃいましたよ…


樹さんだって、何でも話していいよ、って言ってくれたのに…








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