病院嫌い〈2〉


……直輝先生。


苦しいよ
 

助けて、お願い




意識が朦朧としてくる中、必死に助けを求めているけど




まだ5時だし絶対来ないよ




だって回診の時間7時だもん…。





そう思っていたけど……今、温かいものに優しくふんわりと包み込まれる。




視界がぼやけてよく見えないけど、この安心する優しい温もりが直輝先生だということがすぐにわかった





『………直輝先生 グスッ』





『夏帆ちゃん、ごめん
俺、不安になんかさせないって言ったのにな
本当にごめんな。 俺、頼りなくて……』




直輝先生に抱きしめられて感じる体温は





とても温かくて





私の冷えきった体がどんどん温められていく





『……先生は頼りなくなんかないよ
来ないと思っていたけど、こうやってきてくれて…すごくかっこよくて…優しくて……頼りになる先生だよ』





自分でも、何を言っているのかわからないほど言葉がぐちゃぐちゃだけど思っていることを伝えた





『……夏帆ちゃんは本当に優しいね
ありがとう。 じゃあそろそろベッドに戻すからね。
夏帆ちゃんはそのまま力を抜いていて』




ダランと力を抜いていると抱き上げられてベッドの上に座らされる









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